Sunday, March 17, 2024

バイオ燃料の妥当性

 藻類から燃料、CO2実質ゼロ ちとせ研究所が大型施設https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC236GS0T20C23A5000000/


この手の記事を見るたび、投資者や研究をやっている人達の正気を疑います。元が取れるはずがないから - か持論です。そこに至るまでの計算を誰もやっていないでしょうか?

太陽光は1 m^2 当たり700 Wのパワーと言われています。ソーラーパネル(電気)の効率が約20%。ソーラーパネル5、6枚を屋根に敷くと1000 Wとも言われるので直感的に正しい数字だと分かります。

一方、微生物を使い光を燃料(糖・油など)に変換する場合はどうでしょう?1 m^2 のパネルを考え、2つの要素を考慮します。*

1. 光合成による光 -> 燃料の変換効率。(約1%)
2. 微生物が育つパネルが何%の光を吸収するか。(約50%と仮定します)

これらを踏まえると、太陽光700 Wを微生物パネルに当てたところで

700 W x 0.01 x 0.5。たった3.5 W の勢いでしか化学エネルギーを生み出さないことになります。電池1~2本位のパワーですね。パネルのサイズと生み出すパワーは比例するので、規模を大きくしたところで解決する話ではありません。僕の計算が間違っていて欲しい、と思える内容です・・・

自転車で使用済み食用油を集めた方がよっぽどエネルギーを集められそうです。

1 m^2 パネル当たり電池1-2本分のパワーの勢いで糖・油を集めたところでビジネスになるのでしょうか?パネルの製作費、メンテの元は取れるのでしょうか。パネルの製作費は1m^2 当たり数百ドルはしそうな気がしますが。ビジネスとして考えた場合、少なくとも社長、技術者、セールスマンを食わせていく必要がありますが、どうなのでしょう。

一方で「これは将来的な足掛かりである。将来は藻類の培養技術を用い、高価値な化合物(抗がん剤、抗マラリア財など)を作る」というのであればアリかもしれません。


*仮にパネルの吸光度が上がった所でスズメの涙。光合成の効率は生物である以上、数%しか向上できないでしょう。


Friday, May 11, 2018

Wahoo Elemnt WF42-1937におけるGPSの問題 : 新ファームウェアについてはそのうち更新します。

2018/6/6 追記
6月3日に最新のファームウェア、WF42-1937が公開されました。修正内容には
- FIXED: bug causing issues with GPS accuracy during long rides (6+ hours)
長時間のライド中におけるGPSの問題の修正も含まれるので、ぜひ試したいところです。



以下の内容は旧ファームウェア、WF42-1929における問題を書いたものです。新ファームウェアについてはそのうち更新します。



Wahoo Elemnt、始めました。
今回はWahoo Elemntの弱点を書こうと思います。

Elemntのレビューは他所や外国のサイトに沢山あるので、詳細はそちらに譲ります。しかしそれらのサイトではElemntを長距離ライドに使った際の謎現象について語っているものはありません。おそらく、
1)レビュー期間、距離が短い、
2)お金絡みの理由で悪いことは書けない、などが理由でしょう。
(嫌味で書いてるんじゃないんです本当です。誰だってお仕事はありますしねー。だけどレビューとして不完全という点は否定できません。)

Bryton Rider 530からElemntに乗り換えた理由は以下の通りです。

  • 地図が見られる。
    Stravaや他所のGPXルートをたどる際に、地図が有るとわかりやすい。
  • ボタンが普通に押せる。
    Bryton Rider 530はページスクロールのボタンが普通に使えませんでした。当たり前ですが、Elemntでは速度、ケイデンスなどのページから、地図ページへとボタンで移れます。

現段階におけるWahoo Elemntの弱点は、以下の2点だと思います。
  • 長距離ライド中にGPS位置が狂う(重要)
  • 日本語がおかしい(気にするほどではないかも)
これらの問題を除けば、Elemntの性能に満足しています。


長距離ライド中にGPS位置が狂う
まずこれですが、3-4時間を超える長距離のみですが、私の場合必ず起こります。以下の図をご覧ください。

「数百メートルずれるだけでしょ、神経質な」と思われるかもしれません。ご安心ください(?)放って置くと以下のようになり、ログの意味などなくなります。



この現象はWahooのサポートが勧める、以下の状況・設定下でも、距離さえ長ければ毎回起こります。
  • Firmwareが最新のWF42-1929
  • スマホのElemntアプリが最新
  • 使用する地域のみの地図しかスマホ・Elemntにロードされていないこと(私の場合はドイツ)
  • GPSが通りやすい、遮蔽物がなく天気が良い状況
これは私のElemntのみではなく、他所でも報告されています。(最新ファームウェアでも問題は再現されている。一つの国に制限されず、どの大陸でも起こりうる。)

おかしいのは、ファームウェアWF42-1929では” GPS dropping after 3-4 hours”、恐らく当現象が”FIXED”、つまり修正された、とされていることです。最新ファームウェアでも引き続き当現象が起こるというのは、認識されている問題が解決されていないにもかかわらず、解決されたと謳われているということです。

この件についてサポートに問い合せました。
「これは私のElemntのみの現象か。もしそうなら交換してほしい。それともこれは、貴社の許容範囲内の性能なのか。」に対する答えは、
「問題を認識しており、解決に向け取り組んでいる」という答えでした。交換の可否については最低2回訪ねたものの、その後の返信メールでは交換については触れられませんでした。

このGPSが狂う現象への対策としては、現段階ではElemntの電源の再起動、のみです。ルートを中断/再開や、スマホとBluetoothでElemntアプリと再接続、では解決できません。

日本語がおかしい
これについてはご愛嬌、という程度でしょうか。超マイナー言語である日本語にローカライズを期待するほうが間違っているのかもしれません。ただし、ぎこちない日本語が理由で、メニュー選択を迷う場合があります。例えば以下の例。

その他も以下の様な風なので、時々混乱するかもしれません。








Wednesday, November 15, 2017

ナビ可のサイコン達

以前書いたBryton 530ですが、当ブログでは一番のアクセス数です。驚きとともに、サイクルコンピューターに興味がある方の多さを感じています。

私はナビ機能が充実したサイコンに興味がありますが、Garmin一強という状況も変わりつつあります。私が知る限りのナビ機能付きサイコンをリストアップしてみました。皆さんにも注目に値する製品があるかもしれません。

  • 情報は正確ではないかもしれません。
  • 「へー知らなかった」程度で見てください。

Garmin
Edge 1030 / 1000:地図内蔵、単体での目的地検索可。しかし地図の更新は有料の模様。
Edge 820
Edge 520
Edge 25:単順な線でのナビゲーション。

Wahoo
記事を書きました。
Elemnt / Elemnt bolt:スマホとの連携を前提にしています。目的地検索はスマホ、ナビはサイコンで出来ます。白黒だが見やすく詳細な地図でTurn-by-turnのナビも可能。

Sigma
ROX 12.0 Sport : タダで地図を追加できるそうです。その点ではWahooなどと同じく、良心的ですね。

Explova
X5 Evo : なんとカメラ付き!ドライブレコーダーの様につかえそうです。

Bryton
Rider 530:単順な線でのナビゲーション。ルートから逸れた場合、そう分かる。私が持っている物の印象などを書いていますので、こちらをどうぞ。
Bryton Rider 530 レビュー

Rider 450  / Aero 60: 最近発表されたのでしょうか?HPを見る限り、地図(OSM)を追加し、表示できるようです。Rider 530のナビゲーションは線でしか表示されないので、大きな進歩です。

Giant
Neos track:調べた限りではBryton Rider 530とほぼ同じのOEM。ソフト面はGiantによる改良あり、らしい。私のBryton 530はボタンが弱いので、そのあたりも改善されてると良いですね。

Lezyne
Mega XL / Mega C: マップを搭載。道を逸れても大丈夫なリルート機能を搭載とのことですが、それはサイコン単体で可能なのか、もしくはスマホとペアリングした状態なのかは、HPをさらっと見た限りでは分からなかったです。

Xoss
Sprint:個人的注目の新興勢力。ロードバイク乗りが結集し企画を立ち上げたらしい。Indiegogoにてクラウドファンディングを通じて先行販売。写真を見る限りではTurn-by-turnのナビができるかも。最近のサイコンらしくANT+/Bluetoothによるセンサー類に接続可能、とも。ライバルとしてGarmin 520とWahoo Elemntを意識してます。

Hammerhead
Karoo:個人的注目の新興勢力その2。Androidを搭載し、きれいなカラー液晶画面。2018年初頭の分を受注中(?)。単体で目的地設定、ナビゲーション可。紹介ページでは「No phone required」との謳い文句より、単体での動作を主眼においているようです。

番外編

Beeline
クラウドファンディングにより立ち上げられた製品。スマホ上の地図で目的地・経由地を設定。小さくとも見やすい小型ディスプレイで目的地の方向と距離のみを表示。市街地では良さそう。

スマホ
今更ですが、電池の問題を除けばスマホで事足りるのでは、と時々思います。特にGoogle mapのナビには一日の長があります。最近はこんな製品もありますので、これから面白くなるかもしれません。
2.45インチの超小型スマホ「Jelly Pro」が直輸入、OSはAndroid 7.0

Thursday, September 14, 2017

自転車が邪魔なのか?

道路交通法による自転車の走行位置 – 原則車道の左側 – が広く告知されるようになり、車道を走る自転車が目立つようになりました。するとそれに応じるかのように、「自転車が邪魔」という自動車側の意見も広く見受けられるようになったと感じます。私はそのような考えに対し違和感を感じます。私は「法律によれば」などという論を述べるつもりはありません。法律とは人間によって作られ、また変えることもできる物ですから、所謂「そもそも論」は適用すべきでないと思います。

私はなぜ自動車側の意見に違和感を感じるのか。それは「なぜ自動車中心の考えが基本となっているのか」が理解できないからです。自動車に乗れば、何らかの主導権を得られると考えているからでしょうか?自転車に乗った瞬間、何かしらの形で権利が損なわれるというのでしょうか?

地点AからBに移動する場合において、たまたま選んだ交通手段により、邪魔と認識される必要は無いと感じます。よりストレートに言えば、限られた道路幅の中で 1 kmあたり118グラムの二酸化炭素を垂れ流しながら1.7メートル以上もの幅を所有する自動車が「邪魔」と認識されるべきでは無いでしょうか。

嫌味はさておき、つまり何が言いたいかと言うと、自転車に乗っている人も、自動車に乗っているあなたと同じく人間だよ、ということです。

Wednesday, June 21, 2017

Berlin Velothon 120km ベルリン-ベロソン 2017

~~無謀にもロードレースに参加したでござるの巻~~

ロードバイクを購入したのはいいものの、腐った鯛になりつつある状況を打開すべくレースに登録。2週間に一度100キロ乗る程度の人間が、レースに参加するとどうなるのか?近年はロードブームです。レースに初参加する方々も多いでしょう。少しでも参考になれば幸いです。ベルリンで開催されたEuroEyes Berlin Velothon (120kmの部)ですが、日本のイベントにも共通する部分があるのではないでしょうか?

主に、
  • トレーニング
  • ドイツ国内の移動方法
  • 前日のイベント
  • レース
の点を書いています。

トレーニング

取り敢えずスペックから。
2017年時点で30台前半。
166cm, 59kg。
メインのスポーツはランニング、現時点でフルマラソンを3回完走、ベストは3:14:59。
2016年夏にGiant Defy 1 (非ディスクブレーキ、2016年モデル)を購入しましたが、100km程度漕いだ所で平均20km/h(休憩含む)というトロさでした。

しかしマラソンのタイムが伸び悩む中、ロードレースも試してみようと出来心が。一念発起でベルリン-ベロソン 120kmに登録したのが2017年1月。ロードの巡航速度を上げねばならん、かつランニングも両立を、と欲張ってスケジュールを組んでみた結果が以下のルーチンです。

一週間のルーチン
ジムでスピニング: 週2回、各1時間
ランニング14km : 週2回
週末はロードで100~120km、獲得標高500~2000m
(加えて時間に余裕があればランニング10kmをプラス)

以上を仕事の忙しさ、体調に合わせて随時にサボる。
オプションでプランク、スクワット、ランジ等の体幹・筋トレを行うと言った感じです。
トレーニング期間は4ヶ月ほどでした。

バイクのアップグレード
トレーニングの結果、確かに速くなったのですが、より速いに越したことはない。ですのでお金の力も借りることにします。(ヘタレデスネー

以下のアップグレードを行いました。全体的に0.8kg位の軽量化でしょうか。タイヤの大幅軽量化に加え、ホイールを変えたことにより25km/h以上の伸びがよくなった気がします。
ホイール:Giant純正 S-R2 から Shimano Ultegra
タイヤ:Schwalbe marathon 25c から Continental GP400 2 25c
プーリー:105グレード から Dura Aceグレード
チェーン:最初から付いてきたKMC から Dura Aceグレード

さて、実際にどれくらいの進捗があったのでしょうか。私の近場には100キロの比較的信号の少ないコースがあるので、時々ベンチマーク的に走っていました。


最終的には平均時速を26km/hくらいまで高めることが出来ました。しかし私が登録した120km(117.5km)のレースの制限時間は4時間15分、平均時速は27.6km/h。つまり足切りに引っかかる可能性があったわけです。これは最後まで不安のタネでした。

ドイツ国内の移動
日本では輪行袋に収まる限り輪行可能、としている所が多いです(よね?)。
ドイツでは違いました。事前に調べて良かった。最悪当日に乗車を拒否られるところでした。ドイツ鉄道には以下の種類があります。
  • ICE
  • IC
  • RE
上から下にかけて、速い - 遅い、となります。新幹線 - ローカル線みたいな感じです。
例えばフランクフルト - ベルリンなどの長距離ではICEやICに乗ることになります。なんとICEでは自転車は輪行袋に入れたとしても、持ち込み禁止なんですね(2017年6月時点)。その代わり各IC便やRE便には自転車を載せるスペースがあります。(無い場合もあるかも?乗車券と共に、自転車券が必要な場合もあります。IC便の場合は、自転車券が売り切れることもあります。
私はフランクフルト近くの街からベルリンまで、REのみで7時間25分かけて行く羽目に・・・なんと手頃なIC便の自転車券が売り切れていたのです(トホホ
ドイツ国内の輪行はどうぞ計画的に。

前日のイベント
レース前日は子供達、そして有名なレーサー(らしい)によるクリテリウムレースがありました。子どもたちのバイクを見て驚愕!なんと私のバイクより高そうです。子供の頃から財力が勝敗を決めるのでしょうか・・・
それはさておき、子供とは思えない熱いレースが展開されていました。中には将来ツールで活躍するような子供もいるのかもしれません。



並行してメーカーやショップなどが、展示や店を開いていました。お値打ちのバイクも有りましたが、私は間に合っているので泣く泣くスルー。Zwiftを体験したり、最新のデュラエースを触ったり、Canyonの軽量バイクの軽さに驚愕したり、大満足です。帰路についていると背後から呼び声が!なんと展示のお兄さんがTシャツを投げてくれました!私が東洋人だから目立ったのでしょうか。

表にはHutchinsonと書いてました。恥ずかしながら知りません。Canonのそれみたいなキャッチフレーズです。

レース
120kmの部のスタートは10:30-40なので朝はのんびり・・・とは行かず、ハプニングが!ジャージのチャックが壊れて上手く閉まらない。腹の部分がパッカリです。腹出しの初レースが頭をよぎりましたが、そういえば現地の展示でジャージのセールをやっていました。現金を持っていてよかった!腹出しジャージで会場にキコキコ向かいます。周りのドイツ人はさぞかし珍妙な光景を目の当たりにしたことでしょう。
(気のせいかドイツではATMが少ないようです。しかし日本でもトラブった時、急いでATMを探すのはストレスでしょう)

さて、トイレを済ませ、スタートブロックに。私は後ろのEブロックでした。スタート前の雰囲気はマラソンのそれと似ています。私はストレッチをしたり、ぼんやりして過ごすのが、リラックスできて一番な気がします。

さて、レースがスタート!コースは市街地と郊外にまたがり、割とフラットです。Bryoton 530によれば総合上昇高度は310mでした。今まで一度も集団でサイクリングをしたことがないので、スリップストリームの効果を初体験することに。

「速い」というのが第一の感想です。私は単独で無風のストレートにおいて30km/h出せると思いますが、サイコンを見ると35km/hオーバーの速度が!お陰で足切りに引っかかる可能性は無くなりました。しかし冷静になってみると、前後のスペースはタイトです。皆スリップストリームの恩恵にあずかろうと詰めてきます。突然動けばクラッシュは確実。雰囲気はマラソンと似てますが、なんせスピードが違いますから、より慎重に。
(実際、レース中に事故っている人がいました。序盤で2-3人ほど路肩で介護を受けている人達がおり、内一人は出血していました。終盤では救急車の音が聞こえたので、またクラッシュがあったのかも。

数カ所登りがありましたが、周りが遅く感じました。登りがキツイのは当たり前ですが。 もしかすると私はドイツ人の平均にくらべ、クライマー向きなのかも知れません。ドイツ人はだいたい私よりも頭一つ分くらい大きですし。私がいつもヒルクライムでトレーニングしていたのも、理由かもしれません。

全体的に見ると、常に足が余っていたように感じます。マラソンでは常に必死ですが、ロードバイクではスリップストリームのお陰で楽でした。しかしロードの場合、頑張った所でまたすぐ集団に追いつかれ飲み込まれてしまいます。実際、何回かスパートを掛けました。上手く前方集団の尻尾に食いつけたときは良いですが、さもないとすぐ後続に吸収されました。ロードは速いので、空気抵抗が占める割合が、走る場合と比べて多いのです。つまりのんびり集団で走っているほうが、一人で頑張るよりも速いこともある。自身の結果は周りに大きく左右される、肉体的に優れている人が勝つとは限らない、ということを初めて知りました。この点はマラソンと比べて嫌いです。

しかしベルリン郊外のきれいな景色を見ながら、他の人と自転車を漕ぐのはとても楽しかった。私はいつも一人で漕いでおり、それも間違いなく楽しいですが、皆と体験を共有できる素晴らしさを初めて知りました。

120km(厳密には117.5km)の道中、持っていたのは水750ml, 炭酸抜きコーラ500ml,ジェル4個で丁度よかったです。


まとめ
トレーニングやチャリのメンテ、準備はもちろんですが、それ以外で気になったことをまとめてみます。

  • 移動は計画的に。特に輪行は注意。次回からは素直に郵送したほうが良い気が・・
  • トラブルに備え、現金を用意。トラブルはある程度お金が解決してくれます。
  • 良い結果を残すにはトレーニングはもちろんですが、周りを読む目が必要と感じました。これはレースの数をこなし、目を養う以外無い方法が無いのかもしれません。

Thursday, November 24, 2016

自分がベジタリアンになったわけ

ベジタリアンになってしばらく経ちます。今のところ体の不調などありません。むしろ9月のマラソンでは自己記録を更新することができ、体の調子はお肉を食べていたときと変わらなく感じます。

そもそもなぜベジタリアンになったのか。価値観は人それぞれですが、ベジタリアンには主に以下の主張があります。

倫理:生き物を殺すことは可哀想・間違えているから。
栄養:ベジタリアンの方が健康的であるから。

それらに対する私個人の見解としては以下の通りになります。

倫理
人間はお肉を食べて進化してきたので、お肉を食べることは根本的には間違っていない。ただし必要以上の家畜が殺される / 苦しい思いを強いられることについては反対であり、その数を減らすことに越したことはない。特にフォアグラやダウンの生産においては虐待がまかり通っており、憤りを感じる。

栄養
お肉はアミノ酸スコアが高く、手っ取り早く吸収効率の良いタンパク質を取るのに都合が良いのは間違いない。ただし赤肉が心血管疾患のリスクを高めることについては既知のとおりであり、過食は勧めない。

つまり私は倫理面と栄養面では肉食が悪いと思っていないわけです。

私がベジタリアンになろうと思い立った理由、それは食物の生産効率の面です。食物生産における環境への影響や、生産効率の面でのベジタリアニズムについてはあまり議論されていない気がします。

単純な思考実験を行ってみます。
畑から年間100の植物が採れるとします。その植物を飼料としてウシに食べさせた場合、お肉は5くらいしか採れません。ウシを始め、豚や鶏は温血動物なので、食べたエネルギーの大半を熱として燃やしてしまうからです(注1)。それなら最初から100の植物を人間が食べればいいじゃない、というのが持論です。

動物性蛋白質に拘るなら、卵や牛乳を認めるのも一案だと思います。雌鳥を飼えば毎日卵を産んでくれますが、〆れば数日分のおかずにしかならない。ウシを飼えば毎日牛乳が採れますが〆れば数週間分のおかずにしかならない。生産タンパク質 / 排出される二酸化酸素の値は卵や牛乳の方がお肉より高いのです。

ウシを育てるには大量の水が必要で、加えて温暖効果のあるメタンを含むおならを大量に出します。一方ダイズは、むしろ二酸化酸素を吸収してタンパク質を生産してくれます。生産効率・環境への負荷の面では植物が圧倒的に有利と思います。

年間たくさんの人が食糧不足で亡くなり、環境破壊により温暖化が進み異常気象も発生している。こんなニュース、これからも増えるでしょう。僕達には何が出来るのか?

市場は需要に左右されるので、一人でも多くの人がベジタリアンになれば生産者は自然と野菜の生産にシフトするのでは無いでしょうか?ベジタリアニズムが広まれば徐々にチリツモ効果で環境への負荷が減るのでは、と考えます。ただしこれが始まるには、個人の意識の改革が必要です。巷にはお肉のメニューで溢れています。まず自分でベジタリアンメニューを要求するなどしないと生産側・提供側にも菜食を提供する動機がありません。

こんなことをリアルで話していると「なにマジになってんの」的な顔をされますが、マジにならない理由があるのでしょうか?いずれ自分の世代の人間は皆死に、若い世代の人たちに地球をバトンタッチせねばなりません。子供の世代、そして更に先の世代の人たちが安泰に暮らしていける環境を維持しなければなりません。

「子供を愛している」という人に数多く出会ってきましたが、「子どもたちが幸せに暮らしていける環境」や「子供がその子供を育てる環境」について気にかけている人は殆ど見たことがありません。でもこれって、結局は子供への愛につながることではありませんか?「環境問題なんて気にしない」という人は、回り回って「子供を愛していない」という事と同義になりませんか?

問題は発生してから対処するのは遅すぎる。問題は予防したほうが時間もコストも安く、効果的に回避できるものです。「いつ環境のことを考えるの?今でしょ!」ということで私はベジタリアンになったと言うわけです。

仮に環境問題が杞憂だったとしましょう。(そうであればどれほど良いか!)その場合ベジタリアンになったとして何を失うというのでしょうか。お肉を食べる機会を失った、あー大変だ(棒読み)(注:皮肉です)。一方環境問題が本当だった場合、何が起こるのでしょうか。これはJarred Diamondの「文明崩壊」に詳しいです。ここで質問です。環境の劣化より始まる食用不足、そして戦争のプロセスを経て崩壊しなかった文明はいまだかつて存在したでしょうか?

あなたが食べるお肉と子供の未来、どちらが大切ですか?




注1:ならば冷血動物は?というツッコミは予想済みです。確かに理論上は正しいと思います。冷血動物なら食べたエネルギーの大部分をお肉に変換してくれるはず。しかし何故か家畜サイズで草食の冷血動物というのはいません。ワニは食用として出回っていますが、ワニは肉食ですので、ワニ肉の生産効率は牛肉より低いのでは思います。

Saturday, November 19, 2016

Bryton Rider 530 レビュー

サイコンが欲しくて物色してた所、イマイチ「これだ」といえる物が見つかりませんでした。そんな中、Brytonなるメーカーを某巨大掲示板で知りました。日本では流通していないのか、なかなか日本語の記事がありません。(英語は出来ますがレビューなどは日本人視点が良い場合もあるのですよ・・・)

追記:日本でも流通が始まったようです。(というか流通していなかったんですね)
http://cyclist.sanspo.com/341755

追記:他のナビ可のサイコンをリストアップしてみました。興味があればどうぞ!
ナビ可のサイコン達

追記:Wahoo Elemntの記事を書きました。

Bryton Rider 530ですが、スペックだけ見ると良さそうなので人柱的に買ってみました!感想を書いてみます。ちなみに私は週末に100km程度をのんびり走るヘッポコサイクリストです。(平均時速20km/h;休憩含む)今のところRider 530は1000kmほどロードバイクで使ってます。

まず自分にとって必須な機能は以下の通り。

  • 単体でGPSログが取れる
    GPSログを携帯に頼るサイコンもあります(Cateyeのストラーダ、パドローネ等)。私の場合は1.スマホの電池の消耗を避けるため、2.スマホとの接続が切れた際のストレスを避けたいため、サイコンはスタンドアロンの稼働が望ましい。
  • 稼働時間が最低10時間
    一日中、充電無しで使えること。電池の消耗を見越した場合、スペック上は10時間くらい必要?
  • スピードメーター、ケイデンス、心拍数モニターなど
    私には必須では無いかもしれませんが、使えるに越したことはありません。
  • 低価格
    コスパも大事です。

以下に書いていることは、私の機器の個体差によるものである可能性もある、と最初に断っておきます。しかしクオリティーコントロールも企業の実力の内、というものまた事実です。


使用感など

画面
白黒ですが、見やすいと思います。バックライト付きですので、暗くなってもよく見えます。

ボタン
「悪い」と言わざるを得ません。特に表示画面スクロールに使う左2つのボタンが固く、また走行中は特にボタンの反応が悪いです。バイクを路肩に止めて必死に押しても表示画面が変わりにくいので、結局あきらめてしまいます。特に左下のボタンですが、指で押しても反応が無いので、必死になって爪で押し込む最中に陥没してしまいました。6星ドライバーで背面を開けて陥没したゴムを押し出してやることで事なきを得ましたが、ボタンの反応の悪さは相変わらずです。









電池
スペック上は33時間持つそうです。実際電池の持ちには満足しています。

GPS
概ね正確だと思います。(GPS「Full Power」モード時)正解性においてはGSPに加えGlonassが使えるGarminに軍配が上がるのでは無いでしょうか?









GPSのログはわりとキレイに道路に沿っています。

Rider 530本体のGPS設定では「Full Power」と「Power Save」が選べます。「Full Power」がウェブサイトに記載されている「One second recording」に該当するのかは、どこを調べても分かりませんでした。












追記:ナビゲーション
単体での目的地検索、Openstreetmapの追加、など高度なことは出来ません。Turn by Turnのナビが出来るかどうかは知りません。私はもっぱらルート共有サイトなどから.gpxをダウンロードし、それをRider 530に追加し、そのルートを辿る、という使い方をしています。Google mapで検索したルートを.gpxに変換し、それをRider 530に追加する、ということは出来ますが、PCの方がやりやすいです。(スマホで出来ないことは無いですが、やりにくいです。その際はスマホを親機、Rider 530を子機として接続するUSBケーブルが必要です。)
ナビ情報は線としてのみ表示されます。しかし、知らないルートを辿る際は無いよりは絶対いいです。ルートから逸れたら割とすぐ分かります。ただしY字路等の場合は線のみでは分かりにくいです。(そんな時のために、同ルートの.gpxファイルをGoogle mapのマイプレイスに追加し、スマホで読み込んでおけば、ルートから逸れても復帰する際に分かりやすいです)

















追加した.gpxファイルはこのように表示されます。写真の写りは悪いですが、実際は見やすいです。写真は傾きを修正したのでアスペクトが若干狂ってます。.gpxルートを辿る際には、右上に残距離が表示されますが、5%ほど多めに表示されるようです。何故かは分かりません。


拡張性
私が購入したパッケージはスピードメーター、ケイデンス、心拍数モニターが付いています。Rider 530はANT+に対応しているので、他社のメーターとも接続出来るのでしょうか?

追記:Rider 530とGarminのケイデンス&スピードセンサーの組み合わせで動作しました。

Rider 530単体でもGPSを利用したスピード表示が可能ですが、スピードメーターの方が正確でしょう。(タイヤの円周は入力できます)表示するスピードはGPS・メーターどちらを優先するかを選べます。ケイデンスが可視化出来るのは、私のような初心者にとっては漕ぎ方を改善するために役立つのではないでしょうか?

サイクリング中に心拍数モニターは使用していません。しかしランニング中にGarmin Forerunner 15 (日本名:Foreathlete 15J)との組み合わせで利用できました。しかしランニング中は上下に揺れるので、14km走った時点で胸からずれ落ち、腹巻きのように・・・・(メタボ腹では無い私の場合は、です) サイクリング用の心拍数モニターで想定される使用方法ではありませんが、安定感はありません。



その他
この手の製品は単体で完結ではなく、それを取り巻くソフトなどもポイントです。Ryder 530ではセットアップの際に日本語が選べます。しかし、きごちない日本語なので英語に変えました。英語表示はまともです。(このご時世、日本語なんてマイナーな言葉にリソースを割くわけにもいきませんしねー)

一方スマホ用のアプリ。Androidには「Bryton mobile app 2016」が用意されています。ポイントは以下の通りです。

  • アプリはスマホの言語設定に左右されるのか、日本語以外の言葉を選べません。きごちない日本語で我慢しなければなりません。例えば記録を参照するためにタップすると・・・タイムアウト??毎回表示されます。記録はこの後に正常に表示されるんですけれども。
  • 起動、反応が遅い。「記録」を選択しても、過去の記録が参照できず何も表示されない場合がある(再現性のないバグ)
  • Bluetooth経由で記録を転送するのには時間がかかります。100km位のライド情報をスマホに転送するのに10分位かかります(たった約120KBなのに !)。もちろんこれは私のスマホが原因かもしれません。(私のスマホはAsus Zenfone2 laser) 
追記:最近はBryton mobile app 2016は利用しておらず、PCにてGarmin connectを利用しています。Rider 530のログは.fit形式ですが、そのままではGarmin connectにアップロード出来ません。ですので.fitを.gpxに変換した後に、.gpxをGarmin connectにアップロードしています。しかしこの過程でケイデンス情報は失われてしまいます。ケイデンス情報を維持したまま、ウェブ上でログを見たいのであれば、.fitを本家のBryton Activeへアップロードし、参照できます。