Saturday, August 28, 2010

技術と進歩


LHC lawsuit dismissed a second time

CERNが地球を破壊するのを阻止するための訴訟とやらが未だ起こっているようです。確かに全ての物事にリスクはつきものですが、それは現実的なものでしょうか。このような訴訟を起こす人々は、日々身の回りに起こっている他のリスクの方がよほど危険だと理解しているのでしょうか。そういえばCERN完成間近だったころ、やはり「CERNがブラックホールを生み出し世界は破滅する!」などとほざいた末、人が自殺したなんて事件もありましたね。

進歩は失敗の積み重ねです。失敗を恐れ、行動を起こさなければ何も進歩はありません。しかし、最近の世論は技術開発に対し、過剰に批判的ではないかと思います。例えばもんじゅがあります。安定して稼働出来ればエネルギー不足の解決に寄与できるものとされていますが、これはまだ未熟な技術です。にもかかわらず、厳しい批判を受けています。車や飛行機は今や我々の生活に欠かせないものですが、それらの開発はスムーズに進んだのでしょうか?開発者たちは様々な罵倒を浴びながら技術の切磋琢磨に励んだことでしょう。ライト兄弟の伝記はあまりにも有名です。昔から人々はこうであったのかと考えると、進歩の無さに失望を感じます。

今の状況が、何も問題なく、恒久的に安定して維持できるのであれば、そのような態度も理解できます。しかし、現実は違うと思います。温暖化、森林伐採、人口増加、気候変動、食糧難、エネルギー不足など、解決すべき問題は山積みです。このような状況だからこそありとあらゆる方面に投資をすべきと思うのですがどうでしょう。特にこれらの問題はそれぞれ全てが文明が壊滅しうる程の問題であり、なお手を打つのは早ければ早いほど効果的であるということを踏まえた上でです。

実際人類が絶滅するのはあと何年後のことでしょう?僕にはイースター島での出来事がグローバルなスケールで起こっているように感じます。人々は己を足の先から貪り始め、気がついたときには頭しか残っていないという状況になるのを恐れずにはいられません。ジャレド・ダイアモンドの文明崩壊」 - 数年前に読みましたが、未だにその強烈なインパクトが印象に残っています。なぜならばそれは我々が実際にたどってきた道のりを正確に記しているからです。

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