Monday, March 26, 2012

ニック・レーン 生命の跳躍 + (無料) 本へのリンク

最近ニック・レーン(Nick Lane)の生命の跳躍――進化の10大発明 (Life Ascending) を読み終えました。生命の発生から現在までに発生した特に重要な10の要素、それぞれについて近年の発見などを交えながら説明しています。たとえば生命の発生そのものや、シアノバクテリアによる光合成、真核細胞そして多細胞生命体の発生、さらには意識の発達などです。このように進化の過程を振り返れば対称性といった、現在の生物にとなっては当たり前にように感じられる特徴も、素晴らしい発生に感じられます。「進化のテープを巻き戻し、最初から再生しなおせば、決して生命は今我々が知っているような形にはならないであろう」と「ワンダフル・ライフ」にて主張したスティーブン・グールドに改めて共感します。

こんなことを書いていると相も変わらず創造説支持者は、「生命とは、進化によって説明するにはあまりにも複雑である」という論を展開します。それに対する反論とは、

1)進化のメカニズムとは、一つ一つの度合いは小さくとも、獲得した優位な形質とは遺伝によって次世代に受け継がれていく、いわゆる進歩の積み重ねである。一つ一つの小さな進化は比較的たやすく起こり得る。多くの創造説者が間違って認識している「単細胞生命が一気に高等生命に進化する」といったことは誰も主張していない。

2)確率的に低い頻度でしか起こりえない事柄でも、十分な時間があればそれは必然になる。それは生命の進化にも当てはまる。

の2点かと思われます。結局は個人の気持ち次第ではないだろうかと、最近思うようになってきました。真実を知りたいと思う人もいれば、手持ちの知識で十分という人もいるでしょう。個人的には現在の生命の多様性を神の技によるものと仮定した場合、その神の存在そのものが、進化よりも確率的にありえないと思います。


ニック・レーンの本を読む際に使ったキンドル、現役真っ盛りです。最近、著作権が切れた本を公開しているサイトを見つけ、ウハウハです。今読んでいるのは、ダーウィンの「種の起源」です。外にも、チャールズ・ディケンズなどの大御所もあるようです。有名な本がこのようにタダで公開されているとは素晴らしい。自分もこの年になってやっと年少時代に読み損ねたオズの魔法使いを読みました。リンクは以下に、ぜひどうぞ。



青空文庫をキンドルで読む際に必要。

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